横浜にココショク直営店もございます。
媛ひのきに大島石に、大人気の……というより、人気すぎて完成までお待たせしてしまいがちなお弁当箱「年輪」シリーズや、日本から世界までいろいろな銘木でつくる銘木ボールペンシリーズなど、ぜひ直接お手にとって下さいませ。
ボールペンの名入れをご希望の方は、その場でお名前をレーザー刻印いたします。(樹種によって木の焼ける匂いが違って、これまた面白いんです)
同じ、でもちがう、それがいい。
愛媛県の木と石のプロダクト
コーヒーの湯気に鼻をふくらませたり、利き酒で驚いたり、お皿を比べてみたり、さては身支度しながら鳥の声に耳をすましたり、森のさざなみから雨の気配を感じたり。
生き物や素材といった自然界の「ちがい」を実感するたび、日ごろの喧噪や心配事を忘れさせてくれるような気がするのは不思議なものですが……
そういえば子どもの頃はそんなことばっかりしていた気もします。
木、石、セミもいい、蝶もいい、虫食いのあるどんぐりもいい。
何かちっちゃい声で言っているような気がして、たぶんそれは人には分からないことで、分からないけど忘れない。
自然や素材の野趣に触れると、視界の端になにか懐かしいものが浮かぶような、とっておきたくなるような、いたずらっぽいような気持ちになるのは、きっとそうした記憶の遠近法もあいまってのことなのでしょう。
さて、とあるアンケートで二年連続【日本一ストレスのすくない県】に選ばれた愛媛県。
もちろんミカンおよびタイがたらふく食べられるからという理由だけではないはずで(もしそうなら人間はなんて幸せ!)楽天的、マイペース、おおらかな気性の人が多いこと。
そんなふうに温暖な気持ちでいられる気持ちの源泉———まんべんなく瑠璃色で塗りあげて、トルコブルーで仕上げたような瀬戸内海と宇和海、ところどころ霞んだ赤のさす石鎚山脈の豊かな緑。
海に流れ込む滋養のある地下水のおかげで大喜びする深海のタイ、傾斜地の畑で日光浴するミカン。
……ミカンに戻ってしまいましたが、こんなふうに自然と産物が釣り合いながら、うっかりすると風土と人となりの説明が循環するところ、えひめけん!
素朴で、気取りがなくて、でも素材をよく見ているからなんだか芯が強い。
愛媛県の、愛媛県人による、素材を愛する人のためのプロダクトをご覧下さい。
青磁を思わせる「石の貴婦人」
御影石(花崗岩)から作られる食器というと……石焼ビビンバの石鍋か、ときどきアジアン雑貨で見かける飾り用のボウルくらいでしょうか。
というのも素材としての扱いが難しいのはもちろんのこと、そもそもお皿にしたくなるほど美しい石自体、そう滅多にあるものではありません。
そこで大理石などと同様、その滅多にない石のひとつがこちらの大島石ですが、
じつは昔から「墓石といえば庵治石か大島石」といわれるくらいの一流ブランド材なのです。
その淡い青さ……物陰で、日なたで豊かに表情を変える、気品をたたえたその横顔から「石の貴婦人」とも呼ばれています。
『とても堅牢・上品な青灰色・水に強い・色褪せない』。西は出雲大社の大鳥居やかつての大阪心斎橋、
東は赤坂離宮や国会議事堂、産地である愛媛県では県庁や体育館などにも用いられています。
ところが、有名になったものにつきものの困った事態も……
・逆輸入といっても
その名の通り愛媛県今治市の大島でしか採れない石のはずが、
ヘンなことに現在流通している大島石の半分以上が「逆輸入品」だそうです。
「大量大安売り」が押しの某国企業は、ランクの低くて安い、赤い箇所を含めつつ大量の大島石を買いこむと、
色の違う部分をモザイクみたいにツギハギして、石材用の漂白剤や着色料で赤みを抜き、青っぽく塗装してしまうのです。
すると……新品のしっとり感やツヤは一時的に化粧したものに過ぎず、
雨風にさらされるうちに色褪せて、たちまち赤くボソボソになってしまいます。
一方で石真堂さんが扱う大島石とその製品は、上記をそのまま真逆にしたようなもの。
すべてが愛媛県内、高密度で堅牢な「生」の大島石を相手に、
切って、切って、削って、研磨して、やっと一つの受注製作品や雑貨が出来上がるのです。
ひのき、火の木、" 日の木 "
・実はこんなにエキゾチックな木
北欧にもアメリカ圏にもあれだけ針葉樹があるのだから、てっきり諸外国で使われていてもおかしくなさそうに思えるのですが、
実は英語で表現しようとするとHinoki cypressまたはJapanese cypressの二通りしかない、つまりヒノキ=日本に直結するほど民族的な「ヒノキ」。
旧石器時代後期から縄文時代、弥生時代、そして近代まですべての時代の遺跡で発掘されてきた木製道具を樹種別に分けると、
発見点数が多いものからスギ、クリ、クヌギ、ヒノキ、コナラ……という順に並ぶそうで、
そのうちのいくつかは「DNAの配列が明らかな植林のあとを示している」という研究結果が出ています。
火起こしに使ったから「火の木」。
神宮に用いられ、霊(ヒ)の通ずることより「霊の木」。
日輪のごとく尊く最高位にあるから「日の木」———
語源の有力候補とされているこの三つのうち、どれが正しいかはさておいても、
こうして「火 日 霊 木」と並んでいる字をじっと見ているだけで、
鼻腔の奥をいい匂いがかすめて、心がスッとする気がするのはきっと言霊の美しい不思議。
・食事とからだと『植林事業』
日本の森林全体の40%は、手入れをしなければ維持できない" 人工林 "です。
……が、「野菜を育てるには食べるのがいちばん良い」ことはきちんと浸透しているのに、
「木を使うことが森を育てる」という事実は奇妙なほど周知されていません。
おいしいお米も野菜も河口の養殖業も、そのみなもとを求めて
川の流れと一緒にずーっとさかのぼっていけば、山が雨水を蓄える能力、そして豊かな森に行き着きます。
その森を維持するための植林事業で大切なのは、木材が適正な価格で売れて、
その木製品を使ってくれる「木のファン」が増えること。
そうして目に見えない地下茎のように、食べ物や私たちの身体とつながっている———
こればっかりは植林木でしか味わえない、ひとつながりの魅力なのです。
ふたつの素材、ふたつの工房
オーダー家具やリフォーム、古家具再生を専門とするLINK WOOD DESIGN(リンクウッドデザイン)の代表取締役 井上大輔さんと、
国産・外国産のあらゆる花崗岩から作る墓石や表札、インテリア雑貨を専門とする石真堂(セキシンドウ)の店主 宮崎達郎さん。
じつは木材加工だけではなく塗装まで自社内で行う木工工房は珍しく、そのウレタン加工技術を石真堂さんの製品に応用することで、衛生面をクリアした「大島石の食器」が生まれたのです。
同じデザインで異素材が並ぶことで互いの質感が強調されると、その「同じはずのデザイン」も不思議に違って見える素材の妙。
媛ヒノキと大島石のリバーシブル皿、スパッとモダンなカッティングボード、タンブラーにちっちゃい豆皿……
16種類の木からつくる「世界の銘木ペン」シリーズも、それぞれのちがいに満ちています。
手に取って眺めると、ペンサイズだからこそ分かりやすい繊維の光沢や、かたさのあんばい。
ひょっとして目を上げれば、家具やアクセサリーや車のハンドルに同じ木が見つかって、不思議なしかたでモノと思い出が結び付く、二つ目の驚きも待っているかもしれません。
(実際のところ、こうした小さなサプライズほど、だれも損せず、だれも傷つけない喜びが他にあるでしょうか?)
蛇口をひねるとポンジュースが出ると言われ続けて数十年。
せっかく松山空港に『みかんの蛇口』が本当にあらわれたのに、
それにちっとも気が付かなかったほどマイペースで陽気な職人さんたちが送るプロダクトをご覧下さい。
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