ハードメープル【ムクロジ科カエデ属】
■学名:Acer sacchrum
■比重:約0.7
■産地:アメリカ北東部 カナダ
■別名:シュガーメープル ブラックメープル
ずばりメイプルシロップが採れるあのカエデ。
世界一のメープルの産地であるカナダの国旗に描かれているのがこの木の葉です。
属名の「Acer」はカエデ、種小名の「sacchrum」はサトウキビのことですからなんて分かりやすい名前!
同じように「楓(カエデ)」と呼ぶ木でも、近所の裏山で手招きしているみたいなあの小振りなカエデと同じ種類なのか、それとも公民館の入口にそびえている幹の曲がったカエデが同じ種類なのか、またはその門まで続いているあの背の高い並木がそうなのかどうか———?
あの独特な形の葉のために桜やイチョウといった他の木とは見分けやすくても、かえって同じカエデの中では区別がつきにくいものです。
実のところ、サトウカエデは他のカエデと区別がつけやすい種類で、30m〜40mもの高さに育つ幹はまっすぐ空に向かい、きちんと剪定してあるものはメタセコイアのような整った樹形に育ち、葉はかなり大振り。
夏の青葉も秋の紅葉も、冬の寒空を横切る黒々とした斜体状の枝ぶりも美しいため、大通りの街路樹や日当たりのいい公園の並木として植樹されています。
すでに並木として食用としてこれほど魅力的な木なのに、さらには木材としても優れもので、油を吸収しやすく、耐摩耗性(摩擦に対する強さ)が非常に高いという特長から、世界一硬い木のひとつである貴重なリグナムバイタという木に代わって、軸受け(ベアリング)部分に使われることもしばしば。その際には金属よりも高い性能を発揮することもあるそうです。
もちろんその耐久性の高さから、テーブルやイス、床材など、インテリア材としても人気があります。
そして、このボールペンのような小物に加工することで最も引き立つ特徴は、よく磨かれた漆器が内側から光っているように見える場合と同じで、斑点や木目、角度を変えると変わる光り方などが、実は平面ではなく「立体」の構造をしている様子がよく目に見えること。
ツゲのように油を吸い込んで、使えば使うほど持ち主の指になじんでいく経年変化の楽しさも見逃せない点の一つです。
樹種の一覧
モアビ / Moabi チェリー / Cherry
ホオノキ / Magnolia 山桜 / Jamasakura
クリ / Marron ウォルナット / Walnut
アッシュ / Ash ウェンジ / Wenge
カリン / Burmese rosewood ビーチ / Beech
ゼブラウッド / Zebra オーク / Oak
ヒノキ / Japanese cypress チーク / Teak
メープル / Maple ケヤキ / Zelkova